この記事では設置をする前に考えておきたいことを述べます。どのメーカーが良いとかはまた別途。
- No1. 雨漏りリスク
- 一番気になる点ではないでしょうか。構造上、防水層を貫通させた工事がほとんどの場合必要です。金属屋根でカバーキャッチ工法が選択できれば回避することができますが、注文住宅で織り込み済みの方の場合に限られるでしょう
- 逆に言えば、ほとんどの工事は貫通させているわけなので高い実績があるといえます。ちゃんとした施工業者に依頼すれば問題ないと考えることができます
- ちゃんとした施工業者とは、メーカの認定を取得しているかが基準です
- ID認定とか言われてたりします
- そういった業者は売り文句にしていることも多いので確認してみてください
- 国内メーカーの長州産業は雨漏り10年保証をやっているので1つ選ぶ材料になるとは思います
- この保証は認定業者の施工である必要があるだけでなく写真などの証跡が必要。つまり、手抜き工事や抜け漏れが起きないようにしていることが一番の価値だったりします
- No2. 耐震リスク
- 高い位置に重量物を乗っけるので構造的には揺れに弱くなります
- 気にしすぎるとノイローゼになるので知っておくぐらいでよいと思います
- 乗っけてたから潰れたのか乗っけていなかったら潰れていなかったのかは考えないほうが良いと思います。これを考えると相当人生がつらくなると思います
- 参考として熊本地震の被災写真があります。耐震等級1でも繰り返される地震に耐えきれなくないということが実証されてしまいました。それでも1階が完全につぶれるのは回避できているのが多いです(つまり、家が壊れても中の人が守られる可能性が高い)
- 載せることでどれくらい弱くなるのかは構造計算をしないと分かりません
- 弱くなる!と述べる人は多いのですがどれくらい弱くなるのかを定量的に語るのは難しく、それを述べている人はほとんど見かけたことがありません
- まぁリスクを語るのは簡単ですし、その人も言ったよねというスタンスが欲しいのでそういう傾向にはなるんだと思います
- 残念ながら施工業者は構造計算してもらえるところはほぼありません。不安であれば家を建ててる工務店ならばお願いしたらできるところはあるかもしれません
- 工務店でも構造計算できるところはそんな多くないのが実情です
- 3階建ての場合は構造計算必須なのでそれが目安になるかもしれません
- No3. 30年後の屋根リフォームリスク
- この点について触れられている記事が少ないので注意してください
- 家全般についてですが30年後については語らないケースがほとんどです。なぜなら、今契約が取れれば業者としては十分ですし30年後に会社が存続しているかは未知数です。自分のことは自分で考えないといけません
- もし何らかの理由で、屋根の交換工事等をするときに課題があります
- パネルがないただの屋根の場合は、既存屋根に上乗せしてしまうカバー工法が使えます。
- 設置されている場合は当然邪魔になるのでこれを取り外さなければなりません
- しかし、防水層を貫通させてビス止めしているものを外したらどうなるでしょうか。穴だらけになってしまい、一番重要な防水ができません。
- そうすると撤去したうえで防水シートから貼りなおす大規模なものになります(屋根についてほぼ作り直すことになる)
- 例えば、自分が60歳の時に30年目の家の屋根リフォームすると考えます。そのために、ここまでの大規模更新しなければいけないのかは悩ましく感じます
- 私の作戦としては、そもそも屋根に致命的な問題が起きて交換する羽目にならないように定期検査を怠らずに問題が大きくなる前に補修などを適切にすることで回避する方針です
- また、そもそも住宅自体を老後になったら売るか解体して土地売却するかという作戦でもあります
- No4. 蓄電池の処分費用
- これも設置後のことは知らんぷり問題があります
- 今の蓄電池はリチウムイオン電池で15年保証などありますが間違いなく劣化していきます
- 今だと相場20万ぐらいするようです。処分費だけでなく物理的に大きくて重いため撤去費・運送費も高いのです。メーカが自分の製品を有償で引き取ってくれるサービスを出しているところも出てきていますが、無いメーカも多いです
- この辺の法的整備が不十分と感じます
- 屋根は垂木に野地板というものを乗っけて、そこに防水シート(専門用語だとルーフィングと言います)をかぶせて、その上にスレートと呼ばれる屋根材を乗っけている構造です
- スレートで多くの雨水や太陽光などを受け止めます。それより溢れたものは下に回り込んで防水シートが受け止めて流れる2段構えです。
- スレート屋根は耐久性30年と言われています
- 太陽光パネルの設置には架台を設置しますが、防水シートを貫通させたビス止めが必要です(スレートもただのぺなぺなな板なので)
- ただし、この点については実績多数あるためリスクではあるが問題ではありません(ブチルシールというむにゅっとしたゴム材で密着させ、ネジもシーリング付きのものです)
- 問題は屋根交換などが必要になった時です。交換するためには架台撤去をしなければなりませんが、そうすると穴だらけということになります。ルーフィングを張りなおさねければならないので大規模なものになってしまいます。
- 逆に言えばこれを考えなければ大きな問題とは言いにくいと思います。