2022年10月29日土曜日

インド映画 RRR を観た

 これはもう人生の中でよかった作品に入っています。

バーフバリという作品でかなり知られたS・S・ラージャマウリ監督の新作です。RRRもすごいヒットして、その名声を確固たるものにされたと思います。
思うんですが、まだまだ認知は映画ファンの中で留まっているような気がします。
Youtubeでダンスシーンが丸々公開されているのですが、これがもう世界的に再生されて2022年のワンシーンというぐらいになっているそうです。(Youtube社のまとめ動画にもがっつり移っている程度に)

ダンスミュージックいっぱい入っている
ダンスシーンかっこよすぎる
アクションシーンえぐい
ストーリー最高過ぎる

特に侵略戦争が堂々と行われている今、この作品が見れて本当に良かったなと。
映画の設定が1920年代英国植民地時代のインドということで、それで話が進んでいくのですが。人の尊厳や人権を自然に感じられます。こういったことを直視ばっかりしていたらメンタルが持たないのですが、こうやってエンターテインメントに交えて伝えられていくというのはやはり人間の本質なのでしょうか。
(アバター2はそれでも合わない~って思ったりするのでこの辺はなんでもよく感じるというわけじゃなくてビューポイントや感性の違いは普通にありますw)

インド映画というと、とっつきにくい感じを受けてしまいがちですが、本作については明らかにカンフーとかEDMとか我々になじみあるビッグジャンルの影響やオマージュがされていて、スッと身体に入ってきやすい仕上がりになっていると思います。

ムスリムさんとかそのあたりの知識がないとちょっと分かりにくいところはあるかもです。あれ、そういえば本作はヒンドゥー教はほとんど描写なかったようなと今気づきました。今のモディ首相の政策がヒンドゥー至上主義でちょっと問題になっているので、あえて平等に扱っていないのかもしれませんね。

ところで2回観に行ったのですが、そこはあまり音響が良くなくて1回目ほど感動はしなかったです。シンセのうねりや繊細で濃密な低音がうまく再生できてなくて。同じ作品でも再生環境で揺さぶられる感情が変わってくるという事実。


2022年10月13日木曜日

#Linuxのしくみ ―実験と図解で学ぶOS、仮想マシン、コンテナの基礎知識【増補改訂版】を読んで販売イベントに参加した

感想

これは大変お勧めできる一冊になっていました。仕事でLinuxを普段使いしている方や学科の方なら5~6時間で読むことができる塩梅になっていると思います。入門に最適でステップアップした場合の本も紹介されています。

良かった点は次の通りです。
  • 章立てと内容の深さの塩梅が大変ちょうどよくできていること
    • 頭から順番に読むだけで理解できるように十分な配慮がされていること
    • 1章は30ページ前後になっており途中で挫折にしにくいようにコンパクトになるようになっていること
  • フルカラーで理解が容易にできる体裁に仕上げられていること
    • グラフだけでなく、図、表、コラム、章立てなどもカラーになっており、トータルデザインされていること
    • 文字間が詰まっていないこと
  • コンテナ・仮想化などクラウドベースで使っている方が抑えておきたい内容が追加されたこと
  • 実験プログラムが、GoやPythonを知らなくても分かる程度のコンパクトであること。コメントやメッセージは日本語で書かれており斜め読みしやすいこと

4年越しの改定となっていますが全く別の本と言ってよいと思います。前回途中で読むのを止めてしまった方にこそお勧めしたいとまで思いました。章立てと内容の深さの塩梅が丁度良く思いました。コンテナや仮想化などクラウドベースで使っている方が抑えておきたい内容も追加されています。

既に多くを知っている方も簡潔な説明の仕方や図が参考になると思います。 また、意外にこれ知らなかったという発見もあるでしょう。例えば何となく使っているシェルのジョブ管理など

なお、この本の真骨頂はソースコードを写経して自分の手で動かすことにあります。頭で知っていることと肌感覚で理解していることにギャップがあるのは経験があるかと思います。コードも実行するだけよりは手打ちすることがおすすめです。

出版記念イベント

https://connpass.com/event/261999/

ありがたいことに、こちらのイベントについてバーター役として声掛けをいただきまして進行や相打ち役をさせていただきました。
残念ながら録画や配信はなかったのですが、参加者の方からも多くの質問があり楽しんでいただけたようで良かったです。
また、その中で数々の裏話がきけたのでこちらに残しておきます。

資料はこちらに上がっています。

  • フルカラー化と章が3つほど追加されているが販売価格が変わらないのはなぜか?
    • 出版社が頑張っているみたいです
    • 初版は冗長な表記が多く全文を見直しました(実質書き直しみたいなもの)。その結果、既存の部分が減ったので相殺されました。
  • 実験プログラムに、GoとPythonという2つのプログラミング言語が使われているのはなぜか?
    • 1つの言語だけでは実験の目的を叶えられないシーンがいくつかあったから。例えば、Goだとスレッドを作れない(カーネル側でなくGoランタイムが独自管理している)
  • 2つのプログラミング言語があるとできない人は大変ではないか?
    • (nekomatuからの所感)私は2つともできないけど内容を理解するのには困らない程度だったので、あまり言語については気にしなくてよいと思う
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    •  C言語アレルギーの感想が多かったそうだが、Go言語アレルギーの感想とか出てこないか? ー> まだ販売日前なのでその点は不明。
  • 初版は1章当たりが重く見通しが悪かったので、最初に概要があると嬉しい
    • 実は概要も書いてたけど、冗長な文章の中に埋もれてしまっていた。今回は逆に概要も削ってすっきりした
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    • (neokmatuからの捕捉)発表中にも述べたが、1章30ページとコンパクトになったので迷子になることは少ないと思う。また、改訂版だが書き直されているのでぜひ別の本だと思って読んでみていただきたい。
  • C言語が骨董品になりつつあること
  • カーネル屋さんはずっとC言語に囲まれているわけだが、利用シーンは急速に小さくなりつつある。単純に利用者数が絶対的に少なくなっているということに中々気付けない
  • マイコンなどでもC言語以外で書く機会は増えている時代。またソフトウェアの多くはネイティブアプリケーションやWebアプリケーションであろう

最後に全く関係ないですが、私はこの本に書いてあることは全て把握できていました。改めてカーネルが扱っている概念や範囲はそこそこ大きく大変だなと思うとともに、今までのキャリアについてちょっと自信が持てた気がしましたw

というわけで、ぜひお手に取ってみていただければと思います。