感想
これは大変お勧めできる一冊になっていました。仕事でLinuxを普段使いしている方や学科の方なら5~6時間で読むことができる塩梅になっていると思います。入門に最適でステップアップした場合の本も紹介されています。
良かった点は次の通りです。イベント登壇に際して献本を頂きました…!
— nekomatu (@nekomatu) October 13, 2022
フルカラーになりとても読みやすいです。入れ子の要素や境界が沢山出てくる。読み易いことは理解のしやすさに直結です✨
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[試して理解]#Linuxのしくみ ―実験と図解で学ぶOS、仮想マシン、コンテナの基礎知識【増補改訂版】 https://t.co/vIUUuMi3wu pic.twitter.com/w0xbt5FYE0
- 章立てと内容の深さの塩梅が大変ちょうどよくできていること
- 頭から順番に読むだけで理解できるように十分な配慮がされていること
- 1章は30ページ前後になっており途中で挫折にしにくいようにコンパクトになるようになっていること
- フルカラーで理解が容易にできる体裁に仕上げられていること
- グラフだけでなく、図、表、コラム、章立てなどもカラーになっており、トータルデザインされていること
- 文字間が詰まっていないこと
- コンテナ・仮想化などクラウドベースで使っている方が抑えておきたい内容が追加されたこと
- 実験プログラムが、GoやPythonを知らなくても分かる程度のコンパクトであること。コメントやメッセージは日本語で書かれており斜め読みしやすいこと
4年越しの改定となっていますが全く別の本と言ってよいと思います。前回途中で読むのを止めてしまった方にこそお勧めしたいとまで思いました。章立てと内容の深さの塩梅が丁度良く思いました。コンテナや仮想化などクラウドベースで使っている方が抑えておきたい内容も追加されています。
既に多くを知っている方も簡潔な説明の仕方や図が参考になると思います。 また、意外にこれ知らなかったという発見もあるでしょう。例えば何となく使っているシェルのジョブ管理など
なお、この本の真骨頂はソースコードを写経して自分の手で動かすことにあります。頭で知っていることと肌感覚で理解していることにギャップがあるのは経験があるかと思います。コードも実行するだけよりは手打ちすることがおすすめです。
出版記念イベント
https://connpass.com/event/261999/今日は拙著「Linuxのしくみ 増補改訂版」発売記念イベントをやります。ありがたいことに、もう定員が埋まって待ちができている状態です。コロナでなければもうちょい定員多かったんですが、こればっかりは仕方ない #Linuxのしくみのしくみhttps://t.co/RahrVFs61S
— sat (@satoru_takeuchi) October 13, 2022
ありがたいことに、こちらのイベントについてバーター役として声掛けをいただきまして進行や相打ち役をさせていただきました。
残念ながら録画や配信はなかったのですが、参加者の方からも多くの質問があり楽しんでいただけたようで良かったです。
また、その中で数々の裏話がきけたのでこちらに残しておきます。
資料はこちらに上がっています。
昨晩の #Linuxのしくみ の発売記念イベント、#Linuxのしくみのしくみ の発表スライドですhttps://t.co/k3rHdgklAt
— sat (@satoru_takeuchi) October 13, 2022
- フルカラー化と章が3つほど追加されているが販売価格が変わらないのはなぜか?
- 出版社が頑張っているみたいです
- 初版は冗長な表記が多く全文を見直しました(実質書き直しみたいなもの)。その結果、既存の部分が減ったので相殺されました。
- 実験プログラムに、GoとPythonという2つのプログラミング言語が使われているのはなぜか?
- 1つの言語だけでは実験の目的を叶えられないシーンがいくつかあったから。例えば、Goだとスレッドを作れない(カーネル側でなくGoランタイムが独自管理している)
- 2つのプログラミング言語があるとできない人は大変ではないか?
- (nekomatuからの所感)私は2つともできないけど内容を理解するのには困らない程度だったので、あまり言語については気にしなくてよいと思う
- C言語アレルギーの感想が多かったそうだが、Go言語アレルギーの感想とか出てこないか? ー> まだ販売日前なのでその点は不明。
- 初版は1章当たりが重く見通しが悪かったので、最初に概要があると嬉しい
- 実は概要も書いてたけど、冗長な文章の中に埋もれてしまっていた。今回は逆に概要も削ってすっきりした
- (neokmatuからの捕捉)発表中にも述べたが、1章30ページとコンパクトになったので迷子になることは少ないと思う。また、改訂版だが書き直されているのでぜひ別の本だと思って読んでみていただきたい。
- C言語が骨董品になりつつあること
- カーネル屋さんはずっとC言語に囲まれているわけだが、利用シーンは急速に小さくなりつつある。単純に利用者数が絶対的に少なくなっているということに中々気付けない
- マイコンなどでもC言語以外で書く機会は増えている時代。またソフトウェアの多くはネイティブアプリケーションやWebアプリケーションであろう
最後に全く関係ないですが、私はこの本に書いてあることは全て把握できていました。改めてカーネルが扱っている概念や範囲はそこそこ大きく大変だなと思うとともに、今までのキャリアについてちょっと自信が持てた気がしましたw
というわけで、ぜひお手に取ってみていただければと思います。
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