この映画を映画館で見れて幸せだなー
短いまとめ
- ぜひ頑張ってIMAXに足を運んで視聴してもらいたい作品
- ストーリーについては1度で理解できるものではない。できたらIQ200!しかし、アクションを始めとした映画ならではの醍醐味を存分に味わうことができ、後悔することはないとお勧めできる
- 映画ファンも楽しめるし、私のように読解力が足りない人でも楽しめるはず。疑問がいっぱい残るので数人で行くのがおススメです
- なんじゃこりゃ…と思ったらぜひパンフレットを買ってそういうことなのかー!ってなって2回目に行きましょう
TENETのパンフ読んでるけど、ニール役の方のコメントがそれー!ってなってる。
— nekomatu (@nekomatu) October 3, 2020
自分みたいにわけわかんなくても心で受け止められるものがあって観て良かった〜ってなる。
観に行くまでの心境
COVID-19の影響もあってか新作TENETの宣伝として、ノーラン監督の過去作品が2週間ずつIMAXでリバイバル上映(再上映)されていました。レンタルで視聴していて好きだったインセプションとインターステラーを観に行ったのですが、2つとも「まだ自分は本当の作品を観れていなかったんだ…」というあまりの衝撃を受けて、TENETは絶対IMAXで観るのだと心に決めていました。ただ、彼の作品なら妄信的に何でも好きというわけでもなく、例えばダンケルクは私の共用不足もあってそこまで響いていませんでした。よって、気持ちをニュートラルに、期待値を上げすぎないようにしながら臨みました。
私が過去に見たノーラン監督の作品の感想
IMAXと映画館について
一緒に見に行く方に「せっかくなら池グラ行きますか・・・?」と誘われて、ちょっと遠いけど是非行きましょうとなりました。池グラとは、池袋サンシャイングランドシネマのことで数ある映画館の打ちの1つです。
ここで少しIMAXとは何かを簡単に紹介させてください。
IMAXとはいわゆるプレミアムスクリーンのブランドの1つで、通常の劇場よりも高画質・高音質を売りにしています。映画の大人料金は1900円ですが、IMAXでは2500円と少し割高になっているのが特徴です。
IMAXが導入されている映画館は増えてきており割と都市圏に出ればみることができるようになってきました。では、それなのになぜ"池グラ"なのか? これはIMAXにも実は種類が3つほどあるというややこしい事情があります。IMAXが日本に初めて導入されたのは2009年頃らしいです。(Wikipedia参照)。もう10年近く経ちますからその後に似たようなプレミアムスクリーンの競合が出たり設備的な古さが出たりしました。そのため、IMAXも進化しておりバージョンがいくつかある形になっているのです。
池グラは、日本に大阪と東京の2つしかない最新のIMAX「IMAXレーザー/GTテクノロジー」を体験できる映画館なのですっ。
なお、このGTテクノロジーはスクリーンサイズに特徴がありビルの高さ6階建てに相当するバカでかいスクリーンを有しています。劇上に入ったときは壁がそそり立っているのを感じました。スクリーンサイズの大きさにより没入感を高めるのが狙いなわけです。
他のIMAXシステムも含めてこちらの記事がコンパクトで分かりやすかったのでリンクを貼っておきます。
今さら聞けない⁉︎ IMAXってなんだろう【知っておきたい映画館のこと】 - SCREEN ONLINE(スクリーンオンライン)
https://screenonline.jp/_ct/17369818/p2
GTテクノロジーは、国内にたった2つしかないため視聴に行くのが難しいところです。一方で、従前のグレードアップの位置づけである「IMAXレーザー」が導入されている映画館は増えています。こちらは、今の設備をグレードアップすることで実現できるため回収工事を進めている劇場が多いです。
「IMAXレーザー」とは、4Kレーザープロジェクターとサラウンドシステムが12chであることが特徴です。従前のIMAXと比べるとコントラストや明るさに差があります。また、音響面でも12chになることで音のつながりが劇的に改善されています。都市圏に住んでいてIMAXの劇場を選べる方なら、是非グレードアップしたシステムのIMAXレーザーを是非体験していただきたいところです。
TENETをIMAXでみる理由
IMAXは、プレミアムスクリーンの1つですが、撮影からポストプロダクション(撮影後の編集)についてもフォローがあります。詳細は把握していないのですが、高画質・高音質を担保するためにクリエイターにそれらの機材やガイドラインが提供されているようです。
ノーラン監督はIMAXを好んでおり、これに合わせて作品を仕上げています。撮影もあほみたいに大きなIMAXのフィルムカメラを用いて撮影していることで有名です。IMAX上映されているものがすべてIMAXにふるふる最適化された作品ではないのですが、本作品に限って言えば間違いなくIMAXに最適化して作りこまれています。
クリエイターが意図したとおりに視聴できる環境がIMAXで、IMAXを意識して作られた作品をみることができる というのが特別なのです。
TENETの感想
ようやく本番…
みんなが口をそろえて言う通り、ストーリーと描写は意図的に難しさがあります。1度見ただけではさっぱりです。
一緒に行った方は教養があり、かなり多くの部分を正確に理解されていましたが、それでも「そういうことだと思う」という範疇で1度でしっくりできる体験ではありません。なお、当の私は本当にさっぱりでなんもよく分からないうちにすごい映画を見て、分からないけど良かった~となっていました。
はたして、そのような難解な映画が面白いといえるのでしょうか? 普通ならばNoなのですが、この作品は違います。分からなくても本当に大事なエッセンスは誰でも分かるようになっていて「観てよかった…!」と思わせてくれるものがたくさんあります。 例えば、次のようなものがあげられます。
- 観たことがない逆再生シーンの数々。これを盛り込んだアクションシーン。ガンアクション、格闘、バンジー、カーチェイス、ヨット
- 世界各国の圧倒的な情景
- 難解な物語の中でも、シンプルに分かりやすいいくつかのストーリー
したがって、私としては、気負うことなく予算200億円がぶっこまれたど派手なアクション映画を観に行くぐらいの気持ちで劇上に行くのがおすすめです。
ストーリーを追うことが全然できなかった私は、エンディングロールで「やべぇ、なんも分からねぇ…。でも、よかった…。とにかく解説が書いてあるだろうパンフレットを今すぐ買いたい」そんな心境になっていました。最後のそれは気付けよ みたいなところも気付かなくてみんながジーンとしてるシーンも実は分かっていなかったことがパンフレットを読んでから気付きました。ここで涙だばだば。
ただ、他の友達に話を聞くとそれもちょっと分かりにくくしてあるとのことだったので私だけではないはず。人生の中でみた作品の中で最も難解だと感じたし、わざとそうしているのが分かったのでそこは本当に興味深いです。それなのに、見てよかったと感じてしまうところがすごいと思いました。
パンフレットについて
パンフレットには、まさに私がこういうことであってる?ここが全く分からなかったのだけど… という点について9割近くフォローされた解説記事がありました。解説記事は公式な見解ではなく、あくまでもライターの見解によるものとされていますが、映画から読み解ける事実ベースで書いてあるので分かりやすく納得感があるものでした。
某オブジェクトが突っ込むシーンどうなってるの?みたいな部分をインタビューで触れられているので、内容がよく理解できた方でもお勧めできるパンフレットです。
パンフレットを読みながら思い返すと、ストーリーはそこまで難しくないことに気付かされます。むしろ、わざと分かりにくく表現していることが分かります。ここが本作の魅力の1つで、もう一度理解したうえで行きたい…!と思わせるところなんだと思います。どこまで狙って作っているのかは分からないですが、こういった部分が世界観や設定をより一層魅力にし、作品そのものの魅力をぐんと高めています。つまり、語りたくなる要素がいっぱいです。
最後に
そんなこんなで、すっかりTENETが気に入ってしまった私です。インターステラーも私のお気に入りの作品の1つですが、大変分かりやすく終わるのとは対照的な作品でした。難解でこんなの分かるか!と思った設定も紐解けばそこまで難しいものではなく納得感ある仕上がりになっています。しかし、単純に全てすっきりになるようにもなっていないので、ワイのワイのと語り合うことができるものです。1つの作品でこんなにあれこれ思いを巡らせて語れて心が動かされるなんてなんて素敵なことでしょうか。作品が持つ不思議な力を改めて感じることができる映画でした。よーし、最寄り駅でちゃんと降りれた。もーだいじょうー
— nekomatu (@nekomatu) October 3, 2020
ビール美味しかったけど案の定べろべろになってしまったです pic.twitter.com/fy2GfGAJyG
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